曇り空を背景にした梅の花

 江ノ電江の島駅から海と反対側、湘南モノレールの駅も通り越して少し行くと常立寺があり、枝垂れ梅の白梅と紅梅が並び、ほかにも枝垂れではない梅の木もある。先日の曇りの日曜午前に1970年代の100mmマクロレンズAPS-Cサイズセンサーのミラーレスカメラに付けて撮って来ました。だけど枝垂れ梅をアップも含めて何百枚か撮った写真は自分で気に入る写真が見つからず・・・こんなのはもしかすると数か月または数年するとよいと思う写真が現れるかもしれないのだけれど・・・この写真は枝垂れではない白梅の木のいちばん上の枝に咲いた花を曇り空を背景に、露出をプラスに振りながら撮った写真です。こういう白の中に枝の黒い線があまりごちゃごちゃはせずに横切り、数片の少ない花があるようなシンプルな写真を撮るときには、日本画の襖絵を思い浮かべてしまう。この木の花は梅にしては花弁の先っぽがちょっと尖っていました。その個性がいいなと思い、これもたくさん撮りました。

 東京の日の入り時刻が一番早かったのが12月上旬で16:28、そこから今は約ふたつき経って17:06になっています。でも寒いからか、30分も遅くなったという実感はあんまりない。さらに日本の西の方へいけば、例えば関西なら、もう17:30より遅くなっているのかしら。

 梅を見物したあとに、久しぶりに江ノ電の江の島駅から小田急片瀬江ノ島駅までの商店街?観光店舗の並ぶ道を歩いてみると、ずいぶん店が変わっていましたが、老舗の古びた店構えのパンの湘南堂が健在だったので嬉しかった。食べたかった調理パンはまだ出来ていなかったのでなにも買わなかったけれど。そして片瀬江ノ島駅前のすぐ先で海沿いの国道134を潜り、海の上の橋を数百メートル歩くと江の島に渡れます。この日は湘南マラソンの日で江の島がゴールだったらしく、しかもちょうどゴール後の人がごった返している時刻に当たってしまって、ちょっと見てみたかった江の島ヨットハーバーの建物も、女子更衣室に使われていて入り口で立ち入り禁止と言われました。そりゃそうですよ、男子ですから。

 そのうちに雲が切れて日がときどき差してくるようになりました。花の写真を撮るときは影が濃く出ないように曇りの日がベストで晴れの日は避けなさい、とこの前見たYOUTUBE番組でマクロで花を撮るプロカメラマンが言っていましたが、それは一般論なのかもしれないけど、そしてそういう写真の良し悪しを決める尺度があるのかもしれないけれど、けれどもけれども、日の光を浴びて明るく輝いている方が好きです。影が出たっていいや、そういう暖かい中で写真を撮ったり撮らずに花を眺めたりしているのが良き休日だと思いますね。そんなわけで日が差してきたから、もういちどお寺へ引き返そうかと思ったのですが、なんだかもうすっかり疲れてしまい、それは断念しました。

 最寄り駅まで戻って来てTully'sによってホワイトチョコレートを削ってホイップの上に更に載せてある甘い甘いミルクティーを飲みながら宮下奈都のライトエッセイを読んで過ごします。途中数分居眠りをしたと思う。こんな風に日曜日を過ごしました。なんだかいちにちがスーッと過ぎて行く。夜、日曜美術館再放送で坂倉準三の特集を観ました。新宿西口広場の地下に車が降りて行く巻貝みたいな螺旋状の二つ並んだスロープをちゃんと観ておきたいものです。