ずっと家にいた土曜日曜

 先日、恵比寿の東京都写真美術館ではじまった木村伊兵衛の写真展を観に行きました。前回のこのブログで、最近は自分でいいと思える写真が撮れなくなっている、という情けないような独白?を書きました。この恵比寿へ行った日の写真を、その夜にパソコンで撮った写真を見直したときには、その日は久しぶりに気に入る写真が多いなと満足して、せっせせっせと選んだ写真をブログ投稿用に、画素数を適度に減らしたり、写真によってはトリミングしたり傾きを直したり、それで10枚ほどを準備したのですが、それから数日経ったら、やっぱりそんなに良くない。やれやれですな。

 まぁいいや、上の写真はそのうちの1枚、右の男性のダウンジャンパーを着たその姿が、どういう理由かはわかりませんが、ちょっとロボットっぽい感じがしました。ジャンパーの縦のラインが直線にストンと落ちているからかもしれない。あとはフードを被っているそのフードも丸くなく四角いシルエット。きっとちょっとしたことで印象が作られるんだろう。

 ま、そんなことはさておき、昨日と今日の土日は天気が悪かったし、昨日は風も強くて寒かった。昨日は住んでいるマンションのすぐ隣にあるコンビニへ一度行きましたが、それが二日のあいだの唯一の外出で、日曜は一回も外に出なかった。

 NHKプラスで先日最終回の4回目が終わった夜ドラマのユーミンストーリー川上弘美原作の「春よ、来い」を観ました。あとは大相撲で尊富士が110年振りに幕ノ内に上がった場所で即優勝したニュースを知って動画配信を観たり、水泳で大橋選手が200m個人メドレーで勝つのを、すげーな、と思って観たりしていたかな。土曜には瀬戸大也選手が圧勝するのも、すげーな、と思った。

 

 上の写真を撮ったあとに、恵比寿の写真集やアートブックの書店で奥にギャラリースペースのあるPOSTに寄りました。ギャラリーで開催していたエレナ・トゥタッチコア「風の音が道になって」が良かった。

[Exhibition] Elena Tutatchikova / On a Windy Path | 風の音が道になって — POST (post-books.info)

作家が長い道を辿りながら、そのときどきの状況を日記のように文章にしたり、感じたことをたぶん後日に文章にしたり、その道のイメージを描いたり、そこからインスパイアされていろいろな表現を使って作品にまとめている・・・うーん、この私の解説文章もずいぶん稚拙ではありますが・・・

 なにかインスパイアされた理由を持って自分の足でどこかへ向かう、その途中で自分とその辿った時間の周囲の自然などで一期一会の偶然がたくさん積み重なったひとつの旅というものが出来上がる、その唯一の旅を多面的な表現で現すというのは、即興演奏のような感じなのかな、こういう表現が新しいやり方なんだろうなと思う。けっこうきつい作業だと思う。でもなんかこう・・・少し前によく聴いた言葉でライフログというのがあって、生きている個の時間そのものを全部記録して振り返るような記録がいまのスマホのあるネットと大容量メモリークラウドとAIの時代には可能になったことから出てきた(流行った)単語だけど、なんとなくライフログをアートにするようなやり方だと感じました。

 

 読書は岩波文庫ボルヘス作「シェイクスピアの記憶」を読んでいます。帯の文章は「ボルヘス最後の短編集/これはボルヘスの文学的遺言であると同時に短編作家ボルヘスの集大成、そして人間ボルヘス最晩年の自伝である」