蕗の薹の天ぷら

 スマホで撮影した日の丸構図そのものの蕗の薹の天ぷら。横浜の野毛地区の外れにある天ぷらと鰻料理を看板にする居酒屋にて。久々に会った友人は、会社の仕事を続けながら、社会福祉士の免許を取るために猛勉強を帰宅後と休日に続け、齢六十幾つかにして、このたび見事に国家試験に合格したそう。彼はその前には保育士の免許も取っていて、生活に苦しんでいる病気を抱えた子供たちの役に立てる仕事に就きたいと一念発起して、何年もかけて夢に向かって進んでいたというわけです。こういう志の高い友人と話していると、凄いな、私には出来ないな、と感服するしかないです。

 中学生の頃まで住んでいた木造平屋の戦前に建った二軒長屋には広い庭があって、蕗の薹も雑草と一緒になって生えていました。だけどそれを取ってきて食べることはしなかったな。いちど、写真を撮ったことがあるのを覚えています。当時父が使っていたオリンパス35Sというカメラにマクロ撮影のための付属品があったんだろうか?レンズのフィルターリングを使ってねじ込むクローズアップレンズと、三角測距しているレンジファインダーの前に、距離補正用の横長のレンズを取り付けるようなものだと思います。でも本当にピントが合っているのかはなはだ心もとない感じだった。出来た写真を見たらちゃんと写っていて、すなわち蕗の薹にピントが合っていて嬉しかった。場所は家の前の未舗装袋小路の脇の雑草がぼそぼそ生えているような場所だったな。

 天ぷらはお任せ五品で、海老、稚鮎、アスパラ、タラの芽、ホタテ。それにこの蕗の薹と、大葉に撒かれた烏賊、を追加して食べました。少し寒が戻った春の宵の時刻がほろほろと過ぎて行く感じ。