殺風景でとてもいい

 マンションの光回線がケーブルだったのか各戸への分配のための装置だったのか詳細はわかりませんが、しばらく故障してしまい、三日ほどまえにやっと復旧しました。

 写真は、五月の最終の日曜日に東京建築祭に合わせて東京駅から銀座や築地や日本橋付近を散歩したときに通りがかったときわ橋の写真です。どってことないつまらない写真でしょうか、以前写真家の高野隆大さんがフォトジェニックではないカスのような場所をカスババと名付けていましたが、でもこの場所にはときわ橋という遺産があり、それが写っているし、決してカスではないでしょう。だけどこの写真を撮るためにEVFファインダーを覗きながら、うわっ殺風景だなあと思っていました。そしてなにより面白かったのは、殺風景だなぁと思ったなかに、これはもちろん静止画ですがファインダーで見ている分には人が動いている。写真の左端に写っている通行人はもちろんのこと信号待ちのバイクや自転車だって、まったく微動だにしないわけではない。もっと言うと、その屋根しか写っていない首都高を行く自動車だって、ファインダーの中で動いているとよくわかります。その動きがあることで「殺風景だなあ」にプラスして「いいなぁ」と喜んで写真を撮ったものです。だけど当たり前だけど静止画になるとファインダーで見ていた人や車の動きはなく、固定されている。そうするとこれこそ本当の殺風景に見えて来て面白くないな・・・と今は思う、思いながらも載せている。というのは、もしかすると、この面白くないが時を経ると面白く見えて来るのかもしれない、というような半信半疑の思いがあるのです。

 光回線が故障しているあいだに、近所の二級河川の川に沿った土手道沿いに植えられている紫陽花の花を撮りました。大船フラワーセンターに行き、地味で小さなヤマアジサイの花も見てきました。もしかすると明日以降にブログに写真を載せるかもしれません。