焼きリンゴ

 梅の花も、種類や場所の条件によって、もう散り始めたものもあれば、まだまだ蕾の木もあるようです。向こうの建物の隙間を抜けてきた午後2時半の傾いた陽ざしを背景にした赤い梅は、まだこれから咲く丸っこい蕾をたくさん付けていました。

 このブログの1月のある日の記事に、平塚市にある某レストランで、冬のあいだに一回は食べるように心がけている牡蠣のカレーを食べた報告を書きました。それと同じように、冬のあいだに一回は食べておきたいのが、茅ケ崎の某カフェのメニューにある焼きリンゴ(ビスキュイとバニラアイス添え)で、これは冬だけではなく年中食べられるのですが、頼んでからリンゴの芯を抜き、オーブンで?焼き、甘い蜜をかけたそれは、やはり冬になると食べたくなるのです。今日、とうとうこの冬の焼きリンゴ、食べてきました。物静かで礼儀正しい店主、たいていは空いている店内、変わらないメニュー、余計なものがなにも置かれていない店内はほの暗く。窓の外からたぶん椋鳥の鳴きかわす声が聞こえました。帰りには入り口の横にたくさん実をつけている夏みかんの実をひとついただきました。帰宅して夜、食べてみた。酸っぱい味が懐かしい。

 最近はスマホのアプリで曲をスマホに聞かせると、誰のなんという曲かを教えてくれます。そういうアプリがあるんです。せっかくのカフェでせっかくのゆっくりした時間、読書をするために来た。けれど、窓越しに聞こえてくる椋鳥の声と被さりながら、小さな小さな音で流れているピアノの曲が気になり、スマホに調べてもらいました。最近こういうことをときどきやってしまう。そしてとうとうCDをアマゾンで探して買ってしまったこともあります。

 カフェで流れていた曲をスマホに調べてもらったらスワヴェク・ヤスクウケという奏者の名前が出てきました。今度はその名前でヤフー検索をすると、ポーランド・ジャズ最高のピアニストと出てきました。2023年には6年ぶりの来日コンサートも。岡山のお寺で行われたライブもCD化されているようでした。その寺の名前を入れて調べますか・・・そのへんで自制して調べていませんが。

 途中に窓ガラスがあるから店内に小さく流れているジャズのピアノソロ演奏の音が椋鳥の群れに聞こえていることはないんじゃないか?と思うのですが、でも彼らの鳴き声の波、急に何羽もが一緒に鳴き、急に静かになる、その波がなんとなくCDの演奏に呼応しているように聞こえてしまいます。そんなことあるのかな?

 読書中は昨年かな本屋大賞の二番だか三番だかをとった津村記久子の「水車小屋のネネ」です。第一話は1981年の出来事となっています。津村さんは音楽に詳しい作家で、いろんなバンドやその曲名が小説のなかに出てきます。この第一話にもプロコル・ハルムの「青い影」はじめ、何曲かが出てきました。青い影!なつかしい。高校二年のときに仲の良い友達のSくんが音楽好きで、彼自身はベースを弾いて学生バンドを組み、学園祭で演奏していましたね。そのSくんが教えてくれた曲です。ベースラインがだんだん音階を下がっていき、その四つ目の半音下がったところがこの曲のミソだ、とかなんとか。それは1973年頃のことで、1981年にはすでに「懐かしい曲」になっていたと思います。まぁでも小説では1981年の水車小屋でその曲が流れている。カセットテープで。

 ヤスクウケのCDは何枚も出ているんですね。椋鳥とインタープレイ

蔭凉寺ライヴ

蔭凉寺ライヴ

Amazon