横浜へ


 素晴らしい好日。気温もぐんぐんと上がり、Tシャツ1枚で心地が良い。風も気持ちがよい。午前、一人で横浜大桟橋あたりへ行き、NDフィルターを付けたスローシャッター写真を撮り歩く。例えば上の写真です。

 昼、中華街で待ち合わせ。
 三十年近くも前の市場通り四五六菜館は、そのころはどこの店もそうだけどいまの建物より一世代前の、今から思えばレトロな店舗で営業していた。それが本当に見た光景だったのか、あとから記憶に擦り込まれた妄想の光景だったのか、もう判らないのだが・・・たぶんまだ2時ころだというのに、晩秋の低い太陽から店のドアのガラスを通して淡い陽射しが差し込んできていて、その日差しが届いている一番ドアよりの木でできたテーブルに差し向かいで中国人のおじいさんが二人座って、将棋だか囲碁だかをしている。逆光にタバコの煙がゆらゆらと立ち上っていて。店には私と同じ寮のHと二人しかいなくて、だから静かで、ときどき老人がしゃべる中国語がぼそぼそと聞こえている。もしかしたら、映画「こころの湯」とかで見ているような光景が記憶にかぶさって加工されたのかもしれないのだが、四五六菜館と言えば、その場面を思い出す。
 そのあと三十年もたって、きっと中華街の勢力図や人気店も変化していて、最新の情報は判らない。一時期はよく食べにいっていた。十五年から二十年くらいまえとかしょっちゅう行っていた。山東、海南飯店、秀味園、翠香園、大福林、金福楼、華勝楼、揚州飯店、接苑(たぶん字が違いますね)、ほかにもたくさん、あそこもここも、やたらと食べ歩いたものだった。人気の中華粥の店の裏手にある、すごく小さな店はなんて言ったっけ。そっちの中華粥が気に入って、三週続けて中華街に行ったこともあった。
 でも最近は、そもそも中華街にそんなに行かなくなったし(年に一度か二度)、いろいろと本やネットで人気店を調べるとか、テレビで放送された店に行ってみる、とかのグルメ的積極活動をやらないので、ふらりふらりと歩いていて、テキトーに入ってしまう。今日なんか列が出来ていない店が少ないくらいで待つのはいやだなとか思いながら、なんとなく歩く。そのうち、いつのまにか複数店舗に増えている四五六の新しい店、関帝廟前の店の前を偶然に通ったのでそこに入ることにして、二十分くらい並んでからきれいな店内に。木製の古いテーブルでおじいさんが陽だまりで囲碁で遊んでいるような雰囲気とは全くちがった最新の店である。きれいで心地よい。接客も、むかしの中華街の素っ気なさはなくてきびきびと行き届いた感じだった。料理もいろいろと新作を工夫しているみたいで、どれも美味しかったな。海鮮炒飯がとくに気に入りました。こんどは新メニューらしい四五六酢豚とかも食べてみたいな。

 明日はいよいよ逗子アートブックフェアです。みなさん是非お越しください!

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/134
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1593.html
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
行きたいものです。