LAST WALTZ

 雑誌SWITCH6月号の特集が写真で、そのタイトルが「LAST WALTZ 写真の夜明け、写真の果て DAIDO MORIYAMA」。昨日購入して、まだ記事の詳細は読んでないけれど、最近になりどこか体調を崩されたのかな、都内から逗子に戻った写真家森山大道氏が撮り下ろした最新作「逗子」。逗子は私もよくカメラをぶらさげてぶらぶらするわけですが、踏切の遮断器や逗子マリーナあたりの?ヤシの木や髑髏の絵柄が刺繍されたジャンパーのアップなどを強めのコントラストで仕上げた「森山流」の写真に、相変わらずわたしは感銘を受けてしまい、なんで同じ町を歩いても、出来上がる写真に大きな差が生まれるのか・・・いや、だからこそ世界の森山なんだろうけれど、凄いもんだ・・・と。雑誌タイトルの「LAST WALTZ」は意味深です。ロックバンドThe Bandの解散コンサートのLAST WALTZを連想せずにはいられないわけで、バンドの集大成となった長時間のコンサートにはそれまでバンドと関係したりバンドを支持している著名なミュージシャンが次々にステージにあがり共演、最後は全員が舞台に上がる、あそこで歌われたのはなんだっけかな、アイ・シャル・ビー・リリースト、わたしたちは解き放たれなければいけない。このThe Bandの解散コンサートと本の特集タイトルに関連がないわけがない、と思う。SWITCHにはタイトルの最後に森山大道氏の名前が出て来るが、特集の最初には「一人の写真家が死んだ」とはじまります。この死んだ写真家は篠山紀信氏のことだろうか。文章は「私たちあらためて写真という表現を通して同時代とは何か、写真家はどのように時を駆けていったのか、と問いかけた」と続いていきます。そして、森山大道氏からはじまった雑誌の特集ページは1940年代前後に生まれたいわゆる大御所の写真家が次々と取り上げられていきます。LAST WALTZのコンサートに集まったミュージシャンたちのよう。すなわち、これは、The Bandにあたる写真家が誰なのか?亡くなった篠山さんなのか。それとも森山さんなのか、森山さんがLAST WALTZのThe Bandだとすると、なんだか写真家活動を終える最後の舞台に逗子を選んだというようなことを想像してしまいかねない。

 というような本を見た翌日の今日、後部座席のシートベルトの巻き取り機構が壊れてしまった自家用車をディーラーに持ち込むために大磯町のカーディーラーに行ったので、ついでに少しだけカメラを持ってぶらつきました。もちろん、そんな本を捲ったばかりなので、これはなにかの機会に聴いたポピュラーソングが好きになりカラオケで歌うようなものです、雑誌に載っていたいろんな写真を思い出して、それっぽい写真が自分にも撮れたらいいのにな、と思って。