花火

 長年このブログを書いていることで、あれはいつのことだったか?を調べるのに便利になっています。最後に茅ヶ崎サザンビーチ花火大会、以前はただ茅ヶ崎市花火大会という名前だったんじゃないかな、その海岸で行われる花火大会を見物に行ったのがいつだったのか知りたくなり、記事検索に花火大会と入れてみました。その結果、どうやら2016年のことで、だからこれは8年振りの見物でした。その間にはコロナ禍で中止になった年もあったことでしょう。最近では、この花火大会とは別にサザンオールスターズの曲を聴きながら花火を見る別の季節の花火大会もあるようですね。花火大会にはカメラをぶら下げて行きますが、三脚をちゃんと立てて、レンズも選んで、テクニック本の通りに、ときには多重露光を駆使して、花火そのものの美を伝える写真を撮ることには興味がなくて、花火大会に集ってくる人を撮ることばかりです。それでもむかしはいまほどデジタル一眼のISO感度を上げられず、使うシャッター速度が2秒とか3秒になったので超小型の三脚を持って行っていましたが、もう今年は手持ち撮影です。カメラの進化もすごいことです。蛇足ですが使ったレンズは1960年代初頭に製造されたFL50mmF1.4レンズです。一生懸命(笑)マニュアルフォーカスでピントをとっています。

 花火写真で浮かぶのは、川内倫子の写真集「花火」で、写真集を観ていると花火大会は季節の象徴というかヒントであり、日本の夏と、日本の人々の夏への思い、どーんどーんという音とともに一瞬の美と儚くくずれていく残像を見ながら心に去来する思い、鑑賞者の思い出に帰結していくような、そういうふうに心がざわつきます。

 メイン会場から、この写真は東ですが、西も同様、メイン会場から数百メートル離れると、砂浜の斜面に思い思いに人々が座り、波の音が聞こえるなか、空を見上げていました。私の近くにいた男子高校生四人組がずっと女の子のことを話しているのがきれぎれに聞こえてきます。カップルの女性は、男性の肩に頬を寄せ、でもまた離してスマホで写真を撮ったりします。

 いまや真夏の真っ盛りで、あと一週間くらいがピークなのだと思いますが、実はもうこおろぎが鳴き始めています。自室の窓を開けておくと、明け方の暗いうちに聞こえました。花火大会は、とくにこういうふうにメイン会場から離れた場所で眺める花火大会は、盛夏というより晩夏の気持ちになるのです。