無題

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道路の向こうのバス停留所の背景に工事現場を仕切る白っぽい壁があって光っている。バス待ちの人のシルエットが浮かぶ。なんか、かっこいいじゃん、と思って撮っておいたが、手前にピントを取られてしまい肝心のバス停あたりはピンボケになっていた。でもなんだかこのぼけ具合は悪くない気がしてきたので載せました。モノクロにもしてみたが例のごとく、どうも「あとからモノクロ」は「オリジナルのカラー」に勝てない気がするが、それは自分の嗜好なのだろうか。

アイポッドとかUSBメモリーにたくさん音楽ファイルが入っているのに、それなのに、前の晩にCDがずらりと並んでいる棚の前に行き、翌日の通勤自家用車で聴くCDをじっくりと選んでいます。それが楽しいし、あまり聞いていないCDを選ぶことも多い。音楽ファイルの入っている機器は集合住宅であって、CDは一戸建てのような気がするな。それは一戸建てに外観があり庭があるように、ジャケットや解説文があることにもよるだろう。区切りが手に持つモノとしてはっきりしていることが良いのかもしれない。これが××の◎◎というアルバムです、と言うところで区切られてCDが置かれる皿の部分に収まることが、そのアルバムの成り立ちを損なっていない・・・ような感じ。

でもきっとこんな風にわけのわからない感想を言っているのは、結局はレコードからCDへと、レコード屋さんでアルバムを買って持ち帰っていたころのやり方が変えられないのだろうな。

往路、小室等の「東京」、復路はジョン・コルトレーン「ライブ@ニューポート」支離滅裂な感じの選択だが、そうでもないのですね。気分としての合致度はこれでよいかもしれない。

中学のころ、トランジスタラジオを聴く機会はいまよりずっと多かった。なぜかFEN(Far East Nework)がいちばんよく受信できたのは、そのころ住んでいた平塚市。神奈川県には厚木基地本牧基地や横須賀港や、米軍基地がたくさんあるから、FENもそういう理由で神奈川県は電波が「濃い」状態だったのかもしれない。

ある夜、そのFENをなんとなく流していたら、たぶんマイルスのミュートのかかったトランペットの曲が流れた。今思うとIn A Silent Wayのような感じだったけど、そのアルバムは69年の制作らしい(いま検索した)から本当にそうだったかもしれない。

聴いたときに、ちょっと怖かったですね。まず「夜」「真夜中」な感じ。そして「孤独」な感じ。それからどこかに移動している疾走感。以降、私のなかのトランペットという楽器は闇を切り裂く感じが付いて回る。

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